システムが稼働した途端残業する人が一人もいなくなったという、まさに劇的な効果が表れたシステムでした。
A社の入金処理は、外資系のため4半期決算を行っており入金日に関しては正確に反映されなければなりません。そのころのA社は法人の入金が80%以上となっており月末に入金が集中しておりました。入金日を厳格に守るため、入金が判明してから法人の入金を個人別に割り振る作業を始めていました。月末に法人より入金があり、月初にどの法人より入金があったのかを確認し、法人の入金を個人の入金に割り振る作業をおこないます。月初の5日から12日までの営業日としては5日間に集中していました。この間には有給休暇を取ることは許されず連日の残業という有様です。
ある時に料金の担当者が、払込案内で処理をしてくれればいいのにという事を提案してきたのです。日本社のように1年に1回、入金日を厳格に処理するのと異なり、毎月入金日を厳格に反映させるという事を行っているので経理部門より難しという断りがありました。
しかしながら、どうにかならないかというということで独自に調査を行いました。
人事部は、25日の給与控除を行うために15日には払込案内の確定を行って経理部に回していたのです。遅くとも20日までに、A社に振込金額と個人に振り分ける情報(脱退、加入などの異動情報)を郵送していたのでした。
払込案内に記載された金額とA社に振り込まれる金額は振込手数料を考慮しますと99%あっていました。人事部が指示した金額を経理部が変える事はないのですから当然です。
この調査の結果から、払込案内で処理をすることに決めました。情報と現金の分離です。
情報で先に処理を行い、現金は確認に使用するというコンセプトです。情報は現金より早く流れてきます。実際には、お金の到着を待って処理を行うという手順から、先に情報(払込案内)により法人の入金額を個人に割り振るという作業を行いました。現金が到着した後、払込案内の入金額と実際の入金額をチェックするようにシステムをかえました。
そのマッチ率は99%マッチするのですからほとんどやり直しという事はありませんでした。
作業時間は、前月20日から12日までの14日間の作業時間に延びました。約3倍に作業期間がのびたのですから、残業する人はいなくなるのは当然でした。
損害保険会社においては法人のお金を個人に割り振る作業は代理店が行います。そしてその結果を代理店勘定の清算ということで保険会社に報告をします。代理店の中にその作業をする人を雇います。能力に関して一定ではなく保険会社に報告される代理店勘定の品質もバラバラです。損保保険会社は代理店システムを改善して対応していますが、全国各地の代理店の事務処理を一律に上げるのは難しい状況です。
損害保険会社においても払込案内を基に情報で中央で処理をし、現金の照合のみを代理店に任せるというシステムを作りました。
その会社は一応損害保険会社に分類されていますが、親会社(外資)は生命保険会社です。払込案内を使う事からして、日本の損害保険会社からきた人からはありえないとといわれ、法人のお金を保険会社で分解することは、代理店に対する利益供与だと言われました。
代理店が代理店勘定をミスるたびに、営業の社員が飛んでいくことや、代理店がこの業務から解放されたことなどを総合的に考えますと、やってよかったと思います。このような代理店に対するサービスはこの会社だけのサービスとなっています。 |